WAKU JEWELRY Blog

和久譲治のジュエリーブログ

 

WAKUコレクション(15)

 

 

Maison Gripoix(2)

 

 

Maison Gripoix(メゾン グリポワ)(参照)

 

 

 

台座の爪に溶けたガラスが引き付けられるようにくっついています。

 

溶けたガラスのしずくが作り出す表面張力の愛らしい丸み、独特の心が揺さぶられる発色  唯一無二のMaison Gripoix・オリジナルです。

パリに買い付けに行った時にはPlace de Republique(レプュブリック広場)の郷土料理によく行きました。名物のムール貝の店が並び、大好きなアルザス料理がありました。

広場を少し下り、閉まった大きな扉の前で佇んだことを憶えています。ここにGripoix社がありました。もう25年くらい経つのでしょうか、大好きなGripoix社の倒産に時代の流れを感じたものです。

自分が、社会的に何の役にも立たない世界で生きていこうと決めたとき、効率など考えずに、綺麗なものが作れるように、自分自身も無駄な贅沢品になろうと思いました。経営者失格の職人馬鹿です。周りの人に仕事を続けさせてもらいました。考えるのが好きなだけの役に立たない文化史も、読んで下さる人がいます。感謝だけです。

Maison GripoixやHoveの作品を見ると、同じ様な心を感じるのです。

AIが考えられない不合理で非生産的な綺麗さに、僕は心を揺さぶられます。

Maison GripoixやHoveが大好きです。

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